「 ラン活 」 なぜこんなにも早まったのか?春~夏、親を悩ませるランドセル活動
目次
早まったランドセル購入・理由は「インターネット予約」「工房系生産数」「過剰なあおり広告」
春前にカタログ請求・春にショールーム・予約は夏前。ランドセルの話題となると、母親は焦ります。
「もう予約した?」「ここに展示、来るらしいわよ」「わたしは〇〇って決めているから」
出遅れ感を感じた親の、焦りは半端なく、片っ端からカタログ請求がはじまります。
(ここがいいかな?)(実際、背負ってみないとなんともいえないわよね…)(いつなら動けるかな?)
祖父母の贈り物として買う場所や金額もかかわってくるから、色々な意見を考慮しなくてはいけません。
ちょっと前までは、秋に買われていたランドセル、どうして春・夏頃とはやまったのでしょうか?
「インターネット予約」でランドセルが買えるのが普通になった
ランドセルの予約時期が早まった大きな理由の1つに、インターネットで買うという選択が増えたことがあります。
そもそもランドセルは地域密着と、売り場へ行き、試着して買う高価なものでした。
・しかし今の時代、実際に買った人の声を評価としてインターネットで買えます
・デパートや大手ブランドなら安心でき、不安なく決済することができます
・魅力的なデザインのブランド、気に入っているから背負わずとも欲しい!と思わせます
・中には「WEB割引価格」と、ネットで買ったほうがお得なブランドもあったりします
誰でもが、どこにいても、好きなタイミングで購入することができる。
ランドセルの受注生産は変わらず、届くのはこれまでと変わらない1~3月が一般的です。
しかし工場系クラリーノは、ある程度の在庫を抱えています。
ランドセルの予約時期が早まった理由は他にもありそうです。
「工房系の生産数」は数が限られるので、予約しづらい。
工房系とは、天然革皮を使用したランドセルのこと。手縫いで丁寧、頑丈、歴史があるのが特徴です。
中にはクラリーノも手掛けるブランドもありますが、クラリーノ自体価格が高騰しているので値段の垣根がなくなってきました。
かた天然革皮の防水加工技術は高く、昔と比べデリケートさがありません。
だからこそ、生産数が限られる工房系のランドセルに人気が集中するのです。
職人がつくっている品質だからこそ、工房の規模はあまり大きくありません。
中にはイレギュラーな工房系もありますが、こちらは素晴らしいビジネスセンスで例外といえます。
一般的な工房系なら職人を増やし、育て、年の生産数200~300が無難な数。それ以上は期待できません。
だからこそ、工房系の予約数は限られています。
しかし平等に販売したいのは、工房側も同じ。
多くのアクセスでサーバーパンクしダウンしないよう、1商品決まった日時を設け、混乱を少なくして販売するスタイルとなりました。
天然革皮は高騰しています。だからこそ、工房系もクラリーノを採用するようになりました。
今後はクラリーノを扱う工房系も増えてきます。
素材問わず、手縫いで製造している人気ブランド。製造・販売が地元であっても入手困難は続きます。
「インターネット予約」において「工房系の生産数」が限られ「過剰なあおり広告」となる
3つ目の理由は、「インターネット予約」ができることになったことによる「過剰なあおり広告」があげられます。
ここにも「工房系の生産数」が絡みます。
つまり、「工房系の生産数」に限りがあるから、「インターネット予約」において、「過剰なあおり広告」が出てきてしまうわけです。
極端にいえば、工房系のランドセルがインターネット予約対象でなければ、過剰なあおり広告は出てこなかったかも知れません。
しかしクラリーノ系でもファッションブランドなど、数量限定のモデルがあるので、いずれは起こりうる現象であったともいえます。
わたしはとある工房系ランドセルのインターネット販売を支援させて頂いたのは、2011年でした。
当時は予約すらできなかった時代だったので、在庫に余裕がある中、ゆるやかに予約が入りはじめたのが秋頃。
前年度の在庫+今期分の生産で、どうにか乗り切れたような状況でした。
しかし翌年には秋のはじめに人気モデルが完売。その翌年には、すべてのランドセルが秋を待たずに完売…と尋常ではない、ブランド志向となったのです。
そこに乗り遅れたのは(インターネットなんて…)と、ちょっと保守的なブランド。
しかしA4フラットファイルとランドセルの大きさが変わったこともあり、各社、大幅な広告の入れ替えに合わせ、ホームページをリニューアル。
インターネットでの購入がスムーズにできるよう、対策がなされました。
デパートなど実店舗では、季節に応じた特設スペースが確保されていたので、ランドセルの売り場の調整がなかなか難しかったようです。
5月、6月の百貨店では、ランドセルを見かけないところがないというほど、メジャーになったのは最近の話なのです。
その裏にあ目に見えない、売り場担当者間の調整が重ねられたのでしょう。
焦って予約する必要なありません。楽しんでよき思い出に!
こうしてランドセルの市場は大きく変動しました。
意識ある家庭なら、夏を前にランドセルを予約。夏には多くの家庭が購入を済ませており、秋頃~はちょっと遅れてしまっているという扱い。
これが普通の流れなので、乗ることで安心できますが、大手クラリーノ系の在庫数は豊富なので、ゆっくり楽しく選ぶ時間も大切にしてほしいと感じます。
また、世の中には知られていないだけで、優れたランドセルも数多くあります。
各家庭でなにを優先するかで‘優れた’という価値観に差はありますが、インターネット検索で上位に表示されるブランドは絶対ではありません。
特にデザイン!
斬新なものから古風なもの、個性に富んでいます。
カラー!今日は女の子向けに、蒼色のランドセルを見かけました。紺に近いカラーですね。それだけで十分目を惹き、個性となります。
機能は収納、反射、ロックの形状など、多少の違いがありますが、デザインの多様性には叶いません(所詮カバンですから…)。
丈夫さは1番難しく、しかし素材を知り尽くし、それを構造におこすのは、やはり老舗ブランドに尽きると感じます。
クラリーノのフラットキューブも魅力的ですが、歴史が浅いですからね。しかし万全のフォローが見えているので、安心できないわけではありません。
背負うお子さんを想い、この子にはコレだ!!というランドセル、見つかるまで
見つけるまでの過程を楽しめる余裕を大切にしてもらいたいと感じています。
▶わたしが運営しているランドセルサイトはこちら:本音で語るランドセルの選び方
販売店・ブランドからの依頼で掲載することもあり、ちょっと営業トークも混じっておりますが
基本的にコメントなど、客観的に分析し、率直な意見でまとめています。
イチオシは[ 本音で語るランドセルの選び方 ]。
数々のランドセルを見て、企画や販売されているかたの話を聞いたからこそ感じる口コミというステマ…
半分は嘘だと見抜くからこそ、ランドセルを選ぶ楽しさが半減しないよう、地道な発信活動続けます。
興味がわいたブランドを、ネットで評判見て捨てる…はやめてほしい。
実際に目で見て手にとり、感じて欲しいです。
ランドセルは素材・デザイン・機能のバランスが整った芸術品です。どれも素晴らしいです。
知られていないだけで、想像以上にいろいろな色、デザイン、機能があります。
もっと時間をかけて調べる、探すたのしさをしてもらいたい想いで書きました。
ぜひお時間あるときに、一読してください♪
ファッション、建築(インテリア)業界を経て大手IT会社にて業務系ソフトウェアの企画に携わる。
出産を期に会社を退職し、広告業に転身。
‘目の前に友だちがいる’ことをイメージし、丁寧な取材・調査、執筆を心がける。
胸に響いた言葉は、いちご農家に転身された女性の[努力しないと損!]。
監修:株式会社Crepas
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